マンションが売れない理由とは?原因と対策方法を解説

マンションが売れない理由とは?

「マンションを売りに出しても売れない。しかし原因が分からない」といつまでたっても売れないマンションに苛立ちを感じている人も多いのではないでしょうか?

売れないマンションには、建物や不動産会社や売り出し時期など、必ず何かの原因があります。 原因を明確にすることによって、売れないマンションを売却することも不可能ではありません。

この記事では、マンションが売れない原因と売れるようにするための対処法について詳しく解説していきます。

マンションの平均売却期間は6ヶ月

めくれているカレンダー

マンションの平均売却期間は6ヶ月だと言われています。

これは不動産会社との媒介契約期間が影響していますが、いずれにせよ6ヶ月で売却できないマンションには注意する必要があります。

媒介契約期間3ヶ月を2回繰り返すのが平均的

不動産を売却する際に不動産会社と契約する媒介契約期間は一般的には3ヶ月です。

最初の媒介契約期間で不動産が売れない場合、売却価格等を見直して、再度3ヶ月の媒介契約を更新してマンションを売却するケースが多くなっています。

3ヶ月の媒介契約を2回繰り返して計6ヶ月で不動産を売却するケースが多いようです。

マンションは2回の媒介契約期間中に売却するのが平均的だと理解しておきましょう。

6ヶ月で売れないマンションは要注意

6ヶ月で売ることができないマンションは、買い手がつかない何か根本的な理由を抱えているということです。

2回目の媒介契約時に条件を見直しているはずですので、それでも売れないということは物件そのものなど他の原因があるということになります。

このような物件は、根本的な理由を解消することができない以上はいくら待ってもよほど値段を下げない限りは買い手を見つけることか難しいでしょう。

6ヶ月経ってもマンションを売ることができない場合においては、マンションが売れない原因が売り出し価格以外にないかどうか検証してみる必要があります。

ではマンションが売れない理由にはどのようなものがあるのでしょうか?

マンションが売れない9つの理由

マンションが売れない9つの理由

マンションが売れない理由は様々ですが、基本的には次の9つのいずれかの原因に該当しています。

  1. 売却希望価格が高すぎる
  2. 近隣に同規模の売り出し物件がある
  3. 管理費や修繕積立金などの諸費用が高い
  4. 建物が古い
  5. 立地に人気がない
  6. 内覧時に部屋が汚い
  7. 不動産会社の販路や対応力が弱い
  8. 囲い込みを受けている
  9. 売却時期が悪い

自分のマンションが上記いずれかの原因にあてはまっていないかよく考えてみましょう。

マンションが売れない9つの理由について詳しく解説していきます。

売却希望価格が高すぎる

1つ目の理由が売却希望価格が高すぎるというものです。

周辺の同規模同程度の物件よりも売却希望価格が高いのであれば売れるはずがありません。

自分がいくらで売りたいのかではなく、適正価格で売ることが重要です。

不動産が売却できない時は、まずは売却希望価格が周辺の相場よりも高すぎないか検討してみましょう。

近隣に同規模の売り出し物件がある

近隣に同規模の売り出し物件がある場合も、マンションが売却できない可能性があります。

近隣に同じ間取りで新築分譲などが行われた場合には、中古マンションは値段をよほど下げない限りは売れません。

また、資金繰りや任意売却のために周辺の相場よりも著しく低い値段で不動産が売りに出されているケースもあります。

近隣の不動産販売市況をよく調べてから販売しないと、気づかない間に非常に不利な市場でマンションを売却していることになるので注意が必要です。

管理費や修繕積立金などの諸費用が高い

管理費や修繕積立金などの諸費用が高いと、マンションが売れないことがあります。

いくら販売価格が安くても諸費用が高ければ毎月の固定費が嵩むので、購入するには抵抗感を覚える人が少なくありません。

ただし、管理費や修繕積立金はあらかじめ建物ごとに決まっているもので、売主自ら下げることはできません。

管理費や修繕積立金が周辺物件よりも高いマンションを売却したい時には周辺相場よりも低い価格を設定するなど、何かしらの対策を講じなければ販売することは簡単ではありません。

建物が古い

建物が古いと売却が難しくなります。

古い建物であればあるほど建物自体に価値が無くなるので、新しい建物よりも需要がないことは間違いありません。

さらに、古い建物では住宅ローンを借りることができない可能性があります

建物が古くなると銀行が不動産担保を評価する際の担保評価額が出ないためです。

積算法で評価する場合には残存価格しか担保評価額が出ないケースも多いので、買い手が見つかったとしても担保評価額が不足するために住宅ローンを借りることができず、買主は購入できない可能性があります。

立地に人気がない

どんなに建物の状態がよくても、マンションの立地が悪ければ売れません。

例えば、地方都市の山間部などに状態のよいマンションを所有していたとしても、そもそも利便性の悪い地方のマンションを売却することは困難です。

マンションが所在する立地に需要がないためにマンションが売りにくい場合は、長期間かけて買い手を探すか、売却価格を大幅に見直すなどの方法をとるしかないでしょう。

内覧時に部屋が汚い

内覧時に部屋が汚い場合もマンションが売れない原因の1つです。

生活しているマンションを内覧してもらう場合、完璧に綺麗にしておくのは難しいですが、少なくとも購入者が購入後の快適な生活をイメージできる程度には綺麗にしておかなければマンションを売ることは困難です。

せっかく建物自体は綺麗で新しくても、部屋が汚ければ建物そのものも汚く見られてしまいます。

いつ内覧の申し出があってもいいように、売りに出した時点で部屋は綺麗にしておきましょう。

不動産会社の販路や対応力が弱い

媒介契約を結んだ不動産会社の販路や対応力が弱いことによって不動産が売れないケースもあります。

  • 広告のノウハウがない
  • 賃貸をメインとしており売買の実績がない

このような不動産会社に売却依頼をしてしまうと、いくら待っても不動産を売却できない可能性があります。

マンションの売買を積極的に行っている不動産会社と媒介契約を結ぶようにしてください。

囲い込みを受けている

不動産会社が囲い込みを行っているためにマンションが売れないケースもあります。

囲い込みとは、媒介契約を結んでいる不動産会社は他の不動産会社が買主をみつけてきても契約させず、自社の顧客にしか販売しないことです。

自社で買主をみつけることができれば、その不動産会社は売主と買主両方から仲介手数料を得ることができるからです。

具体的には、他の不動産会社から「当社の顧客が貴社が販売中の不動産を買いたがっているから物件を案内させて欲しい」と申し出があったとしても「すでに成約になっている」などと嘘をついて、他社の顧客は断ってしまいます。

自社で不動産を掴んで離さないことから囲い込みと呼ばれます。 不動産を囲い込みされてしまうと、せっかく買い手が現れたとしても売れるチャンスを失います。

同じ地域で同じような物件が売れているにも関わらず、自分のマンションだけ売れないような時には囲い込みが行われていないか疑ってみるべきでしょう。

売却時期が悪い

不動産を売り出した時期が悪いと、不動産が売れないことがあります。

賃貸物件ほどではありませんが、やはり人が動く時期かそうでないかによって不動産の売れ行きが変わるのは事実です。

3月や12月などは人が動く時期なので不動産は比較的売れやすいですが、6月や2月などの閑散期にはなかなか不動産も動きません。

売却に出した時期が悪いと数ヶ月たっても不動産が売れない可能性があります。

売れないマンションを売却する7つの方法

売れないマンションを売却する7つの方法

どうしても売れないマンションを売却するにはまずは原因を究明することです。

原因が分かったら次の7つのいずれかの方法で売れない原因を解決することができます。

  1. 周囲の相場を調べて適正価格で販売する
  2. 近隣の物件と売り出し時期をずらず
  3. 不動産会社との媒介契約の見直し
  4. 囲い込みをしないことを確認する
  5. 広告掲載を見直す
  6. 内覧時の情報を充実させる
  7. 複数の業者から見積もりを取る

売れないマンションを売却するための7つの方法について詳しく解説していきます。

周囲の相場を調べて適正価格で販売する

マンションは高すぎたら売れませんし、安すぎたら利益を出すことができません。

そのため、適正価格で販売することが最も重要です。

不動産会社の中には高額な手数料を目当てに売り出し価格を高く設定する業者も多いため、自分で周辺相場を調べて、適正価格で販売することが必要になります。

近隣の同規模の物件がいくらなのか調べて相場を頭に入れておきましょう。

近隣の物件と売り出し時期をずらず

近隣に同規模の売り出し物件がある場合には、マンションを売りに出してもなかなか売却することはできません。

あえてライバルの物件が売りに出ている時期に勝負するのではなく、売り出し物件が完売したのを確認した上で売りに出した方が得策でしょう。

マンションを売却する前には、近隣でどのような物件が売りに出ているか確認した上で、自分のマンションが最も売りやすい時期に売りに出した方が得策です。

不動産会社との媒介契約の見直し

媒介契約を締結している不動産会社の販売手法に問題がある可能性もあります。

他の不動産会社に乗り換えることも検討した方がよいでしょう。

マンションの販売は豊富な売買実績のある不動産会社と媒介契約を締結する必要があります。

賃貸の仲介ばかり行っている不動産会社や戸建て売買に特化した不動産会社などと媒介契約を結んでもマンションの売却はうまくいかないことが多いので、売りに出してもなかなかマンションが売れない場合には、他の不動産会社と媒介契約を締結するなど、契約内容の見直しを検討しましょう。

また、2週間に1回以上の活動報告義務がある専任媒介契約を、信頼できる不動産会社と締結することも有力な方法です。

活動報告義務のない一般媒介契約とは異なり、専任媒介契約を結ぶことによって不動産会社が本気になってマンションの買い手を探す可能性が高くなります。

囲い込みをしないことを確認する

不動産会社との媒介契約の前に、必ず「囲い込みはしない」ということを確認するようにしてください。

囲い込みをする不動産会社は、売主に知識がないために囲い込みを行う傾向があります。

そのため、事前に売主の方から「囲い込みをしないでほしい」と伝えることで、「この売主は知識があるんだな」と不動産会社は判断するので囲い込みをしないことへの大きな抑止力になります。

口頭だけでは不安な人は媒介契約の書面に「囲い込みをしない」という一文を盛り込むことも可能ですので、不動産会社へそのように伝えるのもよいでしょう。

広告掲載を見直す

広告やポータルサイトに掲載されている自分の物件情報を見直しましょう。

マンションがより魅力的に見えるように、夜間にマンションがライトアップされている写真などの画像を追加するのは有効な方法です。

また、部屋の内部の写真もできる限り多くしましょう。

さらに「学校が近い」「スーパーまで何分」など、できる限り生活に密着した情報を入れることによって、より買主が購入後の生活を想像しやすくなります。

内覧時の情報を充実させる

内覧時に実際に住んでいる人しか分からない情報を充実させるのもおすすめです。

「角部屋だから静か」「下の階は昼間に事務所として使っているだけだから夜に騒音を気にしなくてもよい」など、どんな細かな情報でもよいので住んでいる人しか分からない情報を伝えるとよいでしょう。

また、内覧時にマンションを綺麗に見せるため、ハウスクリーニングを入れておくのもよいでしょう。

複数の業者から見積もりを取る

売却時には複数の業者から見積もりを取ることが重要です。

マンションは適正価格で売りに出すことが非常に大切になります。

高すぎたら売れませんし、安すぎたら損をしてしまいます。

マンションの売却実績が豊富な業者であれば「いくらであればギリギリ売りやすい価格なのか」ということを把握しているので、売主にとってベストな売り出し価格を提示してくれます。

どこの業者がベストなのか分からない場合には、複数の業者から見積もりを取りましょう。

まとめ

マンションが売れない理由は様々です。

その大半が価格が間違っているかタイミングが間違っているなど、不動産会社のノウハウがないがゆえに売却できないケースが少なくありません。

次のようなポイントを押させておくことによって、売れないマンションが売れるようになる可能性があります。

  1. 周囲の相場を調べて適正価格で販売する
  2. 近隣の物件と売り出し時期をずらず
  3. 不動産会社との媒介契約の見直し
  4. 囲い込みをしないことを確認する
  5. 広告掲載を見直す
  6. 内覧時の情報を充実させる
  7. 複数の業者から見積もりを取る

売り出し前にこれらのポイントを抑えることによって、格段にマンションは売りやすくなります。

マンションが売れない時には原因をしっかりと特定し、適切に対処するようにしてください。