マンションの売却を検討していれば、まずは不動産会社に査定をお願いしようと考えていると思います。不動産の査定依頼をしたことがなければ、どのような方法で査定が行われるのか気になるのではないでしょうか。
マンションという大きな資産を売却するのですから、少しでも高く売りたいと思うのが当然です。
そこでこの記事では、マンションの査定を依頼する前に知っておきたいポイントや、査定方法、高く査定されるコツについてご紹介していきます。
マンションの売却査定は不動産会社選びが重要
マンションの査定依頼をするにあたって、まずは査定をお願いする不動産会社を選ぶことになります。
査定方法は不動産会社によって異なるので、査定価格も不動産会社によって変わります。また、提出された査定価格に満足できたとしても、実際にその価格で契約が成立するのかは別問題です。査定価格は高かったのに、実際売りにだしたら買い手がつかず、結局値下げして売ることになったなんてこともよくある話しです。そのため、査定価格だけで判断するのではなく、その不動産会社の特徴や営業力、売れそうな価格をしっかりと見極められているのかもチェックして不動産会社を選びましょう。
この不動産会社選びを蔑ろにしてしまうと、売却に成功する確率が低くなってしまうかもしれません。査定は1社だけでなく複数の会社に査定依頼を行い、一番信頼できる会社に出会うことが大切です。
マンション売却査定のフローをご紹介!
マンションの売却査定をするには、不動産会社のホームページや不動産一括査定サイトなどから申し込みすることから始まります。
不動産一括査定サイトとは、マンションの情報について入力して送信すると、その情報が自動で複数の不動産会社に届き、複数の不動産会社から同時に査定をしてもらえる便利なサービスとなっています。
不動産一括査定サイトなどのインターネットからの査定申し込みであれば、査定結果が早ければ当日、遅くても3日程度で届きます。
ただし、この査定結果は「机上査定」という簡易的な査定によるものなのでだいたいのマンションの価格について把握することはできますが、実際の売却価格とは異なる可能性が高いです。
そのため、具体的に売却を検討しているという方は、この机上査定の結果から再度詳細に査定をしてもらいたい不動産会社に「訪問査定」を依頼します。訪問査定とは、その名の通り不動産会社がその物件に訪問して、具体的に査定を行うものとなります。
訪問査定が完了すると、おおよそ1週間程度で査定結果が届くので、その査定額を参考に不動産会社を選びましょう。
先述しましたが、査定額だけでなく、その不動産会社の特徴や営業力、スタッフの対応や知識、査定価格の根拠などをチェックし、信頼できる不動産会社をみつけることが大切です。
机上査定と訪問査定の違いとは?
先ほど簡単にご説明した「机上査定」と「訪問査定」ですが、それぞれの査定方法について詳しく解説していきます。
机上査定とは、主にインターネットから不動産に関する情報を送信し、不動産会社はその情報を基に査定をするという簡易的な査定で、だいたいの相場価格を把握したいという人に向いている査定となります。
この机上査定は、過去の成約事例などを基に査定価格を算出します。あくまでデータ上の情報で査定する簡易的な方法となるので、実際に売れる価格と差が生じる可能性が高いと考えましょう。
一方の訪問査定とは、データだけでなく、実際にマンションの外観、周辺環境や室内の状態などについて細かくチェックをした上で査定を行います。
そのため、訪問査定では実際に売れるであろう現実的な査定価格を受け取ることができます。
マンション売却で失敗しない不動産会社の選び方
仲介によるマンションの売却では、実際にマンションの売却活動をするのは不動産会社です。
つまり、この不動産会社によって売却が成功できるかどうかが決まるといっても過言ではありません。
どれだけ良い条件のマンションであったとしても、不動産会社の売却活動が悪いなどの要因によって全然買い手がつかず、挙句値下げをしてやっと売れるなんて事態にもなりかねません。
そんな失敗をしないために、不動産会社選びから慎重に行うことでマンション売却を成功する確率を上げることができます。
以下ではマンション売却で失敗しないために不動産会社を選ぶ時のポイントをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産会社によって特徴や強みが異なるので、あなたが売却したいマンションに高い査定額を出し、売却活動で高い成果を出してくれる会社も存在しています。
そのような不動産会社を見つけるには、査定依頼の段階で必ず複数の不動産会社に査定依頼をしましょう。不動産一括サイトを利用すれば簡単に複数の不動産会社に査定を依頼できます。
また、不動産会社といっても大手や中小の地元密着型、マンションに特化している専門会社など様々な会社があります。
それぞれ得意な物件のエリアや条件等が異なるので、あなたのマンションの売却に強い不動産会社を見つけるためにも複数の不動産会社に査定を依頼することが欠かせません。
不動産会社の売買実績をチェック!
不動産会社の候補の中から、その会社の売買実績を確認するのもおすすめです。
自分のマンションと似たような条件の売買実績がどれくらいあるのかをみておくことで、売却活動の力がどれだけあるかを確認することができます。
不動産会社のホームページや店頭で掲載している場合はそちらで確認したり、訪問査定をした際などに過去の売買実績はどれくらいあるのかと直接質問しても良いでしょう。
売却査定前にしておきたい事前準備
ここからは、マンションの売却査定を受ける前に事前に準備をしておくと良いことについてご紹介します。
マンションに関する書類を用意したり、改めてそのマンションの魅力について整理しておくことで、販売をする時に大事なアピールポイントとなります。
査定価格の算出方法を把握しておく
不動産の価格査定の方法には、「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3種類がありますが、マンションの査定の場合には、主に取引事例比較法という方法によって算出されます。
取引事例比較法
取引事例比較法とは、マンションの間取りや立地、広さといったものから、過去にあった類似マンションの売買取引、現在販売しているマンションを参考にして価格を算出する方法です。
過去の取引事例と現在の環境や市場などを考慮し修正をして結果を出すので、売却値にかなり近い価格を知ることができます。
この方法は、主にマンション、土地の査定に使われる査定方法です。
原価法
原価法とは、同等の不動産を取得するのに必要な価格である再調達原価を基に、そこから経年劣化による減価修正を行って価格を算定するという査定方法です。
この原価法は、主に一戸建ての査定に使われる査定方法です。
収益還元法
収益還元法とは、投資用物件の価格査定に使われる方法で、純収益と還元利回りから査定価格を算出する方法です。
居住用のマンションを売却する場合であれば、この査定方法による査定をしてもらうことはないので、この記事では説明を割愛します。
リフォームはしなくて良いが修繕はしておく
マンションを高く売りたいと思った場合、少しボロボロになってしまった壁紙やフローリングをみて、大規模なリフォームをした方が良いのかどうか迷っているという人も多いかもしれません。
一概には言えませんが、リフォームではなく、修繕が必要なところがある場合は修繕だけ行っておくと良いでしょう。
例えば、壁紙の落書きや剥がれ、床にできた傷など気になるところがあれば修繕することをおすすめします。
ただし、修繕費をかけすぎてしまいその分売値も高い設定となってしまえば物件が売りにくくなってしまうので注意してください。
リフォームをしておくと見栄えがよくなるので売れやすくなりますが、リフォームにかかった費用の分だけ売却価格が上がるかといえばそうではありません。
そのため、売却するためにリフォームを行うことまではおすすめできません。売却を検討しているが売るまでに長い期間があり、自分たちで使うためのリフォームであれば気にせず行っても大丈夫です。
マンションのアピールポイントをまとめる
マンションを売却するにあたって、そのマンションの魅力・アピールポイントを実際に住んでいるご自身の経験からまとめておきましょう。
設備などはマンションに関する資料で不動産会社は把握することができるため査定に反映されることですが、住んだ人のリアルな魅力というのは資料からは判断できません。
査定時に自分でリアルに感じたマンションのアピールポイントを不動産会社に伝えることができれば、査定価格に良い影響を及ぼす可能性があるでしょう。
また、アピールポイントだけでなく、室内の不具合などがあれば査定時に伝えてください。売却する場合、設備の故障などを隠しているとトラブルになり、売主の責任となってしまうので正直に伝えましょう。
マンションを高く査定されるコツ
続いてはマンションの査定で、高額査定の結果を得られるためのコツをご紹介します。
査定額で必ず売却できるというわけではありませんが、査定された金額ということはその値段で売れる可能性は十分にあります。ぜひ高く査定されるコツを意識してみてください。
マンション売却に強い不動産会社に査定してもらう
マンションの査定で高額査定をしてくれるのは、マンションの売却に強い不動産会社といえるでしょう。
そのため、マンション売却に特化している不動産会社に査定を依頼しておくことで、高額な査定結果を得られる可能性が上がります。
早めに査定を依頼しておく
早い段階で不動産会社の査定を受けておき、適切な時期に適正な価格で売り出しをすると良いでしょう。
同時期に同じマンションの部屋が売りに出されていたり、または類似タイプの部屋が売りに出されていると、その分売り物が多くなるため、自分の物件が売れにくい状態となってしまいます。特に戸数の多い大規模なマンションを売却する場合は、他の部屋も売りにだされている可能性が高いでしょう。
大規模なマンションの場合、同じマンション内の物件と販売時期を被らないようにすることは難しいかもしれませんが、なるべく売り出し中の物件数が少ないタイミングで売り出すのも手です。
また、浴室やトイレなどの一部をリフォームして付加価値をつけて他の売り出し物件との差別化を図るという方法で有利に進めることもできます。
しかし、こういった方法を取るには早い段階で不動産会社を選んでおかないと実行できないので、早めに査定を受けておくことが重要となるのです。
最後に
いかがでしたか?
マンションの売却査定の方法や事前準備、高く査定されるためのコツについてご紹介してきました。
不動産の査定は、不動産会社によって査定方法や査定額が異なるものです。そのため、1社だけでなく複数の不動産会社から査定をしてもらいましょう。
『マンションの査定をしてもらった=売却しなければいけない』というわけではないので、不動産一括査定サイトなどを利用して、まずは査定の依頼をしてみてはいかがでしょうか。
まだ売ることまで考えていなくても、簡易査定をしてもらえば自分のマンションの価格について把握することができますよ。