家の売却相場が知りたい。相場の調べ方をご紹介

家の売却相場の調べ方をご紹介

家の売却を検討した時にまず最初に気になるのが、どれくらいの価格で売却することができるのかという事だと思います。

売却相場といっても、なかなか自分で調べるのは難しいと思っている人もいるかもしれません。

しかし、実際にはスマートフォンから簡単に相場を調べることもできるので、この記事ではその方法についてご紹介していきます。また、家の価格が上下する要因についてもご紹介していくのでぜひ参考にしてください。

家の売却相場の調べ方はスマホで簡単にできる

男性がスマホで家の売却相場を調べている様子

家の売却を考えた際に、まず気になるのが価格の相場です。実際に査定をしてもらうという手もありますが、そこまでするのは面倒だったり気軽にすぐ価格を知りたいという人には向いていないでしょう。

そこで、まずはスマートフォンから閲覧できるサイトで簡単に売却相場を確かめる方法をご紹介します。

家の売却価格の相場は、スマートフォンやパソコンから以下のサイトを使って調べることができます。

  • 土地総合情報システム
  • レインズマーケットインフォメーション
  • 不動産のポータルサイト
  • 不動産一括査定サイト

それでは、それぞれのサイトの特徴をご紹介していきます。

土地総合情報システム

土地総合情報システムとは、国土交通省が公開している相場情報のサイトとなっており、国土交通省が毎年、地価公示で全国の土地の価格を公表しています。

この土地の価格を公表するために、不動産の取引のあった人に対してアンケート調査を行い、取引事例を集めたものからデータベースが作成され、その情報が公開されています。

ただし、あくまでアンケートをベースにしたものなので、信憑性は低く、これからご紹介するレインズマーケットインフォメーションと比較すると圧倒的にデータ量が少なく、情報の更新頻度も低いです。

https://www.land.mlit.go.jp/webland/
土地総合情報システム

レインズマーケットインフォメーション

家の売却相場を調べられるサイトの一つとして、国土交通大臣から指定を受けた指定流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」というものがあります。

もともと不動産会社のみが利用できる「レインズ」というサイトが存在するのですが、このレインズマーケットインフォメーションは一般の方でも閲覧できるように作られ、レインズに掲載された情報の一部を公開しているサイトになります。

レインズマーケットインフォメーションは、売物件や成約価格が掲載されており、不動産会社が日々行っている取引の成約データをもとに情報提供が行われているため、情報量が最も多く、かつ最新で、しかも信頼性が高いので参考になります。

不動産取引情報提供サイト(マンション・戸建住宅の売買価格・相場・取引事例の情報公開サイト)
当サイトは、指定流通機構(REINS)が管理する具体的な不動産取引価格情報を提供し、不動産流通市場の一層の活性化を図ること目的として運営されています。
レインズマーケットインフォメーション

不動産のポータルサイト

不動産の売却情報が掲載されたポータルサイトをみると、現在売り出している物件についての情報を見ることができます。この中から、売却希望の家に類似している物件を見つけることで相場を確認できます。

ただし、売りに出されている価格というのは、実際に家が売れた価格(成約価格)ではなく、あくまで売主が希望している売り出し価格であるという点は覚えておきましょう。

ほどんどは売り出し価格よりも低い金額で成約になるケースが多いので、このサイトで得られる情報はあくまで参考程度にとどめておきましょう。

不動産一括査定サイト

最も簡単に家の売却相場を知りたいなら、不動産一括査定サイトを利用することをおすすめします。

不動産一括査定とは、インターネットから売りたい家の情報を入力するとシステム上で複数の不動産会社にその情報が届き、同時に複数の不動産会社から家の査定結果を受け取ることができます。

複数の会社から家の査定価格をだしてもらえるので、その結果をみれば売りたい家がだいたいどのくらいの価格で売れそうなのかすぐに把握することができるでしょう。

家の売却価格の相場を自分で計算する方法

家の売却相場を電卓で計算している様子

ここからは、家の売却相場を自分で計算する方法をご紹介していきます。

建物と土地でそれぞれ異なる計算をするので、まずは建物からみていきましょう。

建物価格の計算方法

建物は、新築の時から築年数が経てば経つほど価格が下がり続けるので、いずれ建物の価格は0になります。

以下のような式によって、具体的な建物の価格を計算することができます。

建物価格の計算式

建物価格 =再調達価格×(経済的耐用年数-経過年数)÷経済的耐用年数

この式に登場する単語・数値について一つずつ解説していきます。

再調達価格

再調達価格とは、その建物を取り壊して同じ建物をもう一度建てるとしたら、どれくらいの費用がかかるのかを計算したものです。

再調達価格を計算する場合には、「国税庁の建物の標準的な建築価格」を参考にすると良いでしょう。

経済的耐用年数

経済的耐用年数とは、法廷耐用年数とは異なるもので、物理的、機能的、経済的な要因による建物の劣化から、その建物が経済的に価値があるまでの年数のことです。

土地価格の計算方法

続いては、土地価格を計算する方法についてみていきましょう。

土地の価格というものは、国内が好景気のときは価格は上昇し、不景気であれば下降するというように景気によって上下します。

そのため、タイムリーでリアルな指標である単価を使って土地の価格を算出します。

路線価を使った計算方法

土地価格を求める簡単な方法として、相続税を計算するための土地単価である相続税路線価を利用して計算する方法があります。

路線価は、毎年1月1日時点での売買実例価額、鑑定評価価額、公示地価などに基づいて評価され、毎年7月1日に国税庁が公開している土地単価のことです。

相続税路線価は「公示地価」の8割を基準に設定されています。そのため、以下の計算式によってタイムリーな土地の価格を求めることができます。

土地価格 = 土地の面積 × 相続税路線価 ÷ 0.8

倍率地域での計算方法

「倍率地域」とは、路線価がないエリアのことを指しているものです。倍率地域の土地の価格を求めたい時、路線価がないので先ほどの計算方法は使うことができません。

その場合、路線価の代わりに土地の「固定資産税評価額」を使って計算することができます。

土地の固定資産税評価額というのは、固定資産税納税通知書に記載されている価格のことです。

固定資産税評価額は、地下公示価格の7割を基準に設定されています。そのため、以下の計算式によって土地の価格を求めることができます。

土地価格 = 固定資産税評価額 ÷ 0.7

固定資産税評価額は3年に1度しか更新されないため、路線価による計算の方が最新の相場で土地価格を算出することができるという点に注意してください。

そのため、倍率地域でなければ路線価による方法で土地価格を計算することをおすすめします。

土地の価格が変動する要因とは?

家の模型と虫眼鏡

土地の価格は様々な要因によって判断され、決定されます。

それでは、土地の価格に影響を与えている要因とはどんなものがあるのか一つずつみていきましょう。

立地条件の良し悪し

立地条件の良し悪しによって土地の価格は上下します。

駅から近い、またはスーパーなどの商業施設が近い、病院が近い、といったように立地条件が良い土地というのは価値が高くなります。

一方で、交通の便が悪い、近くにコンビニがない、娯楽施設が少ないなど、立地条件が悪い土地というのは価格が下がります。

立地条件が悪かったとしても、再開発や大型商業施設の開業などによって土地の価格が急上昇するというケースもあります。

インフラが整っているかどうかも関係している

インフラ設備が整っているかどうかは、土地の価格に大きな影響を与える要因です。

水道やガス、電気といったインフラの施設が地域の標準的な水準と同レベルに整っていれば価格は下がりませんので、よほど郊外の土地でなければこの影響によって下がることはないでしょう。

道路との高低差も影響する

土地と道路との高低差というものも土地価格に影響しており、敷地が道路よりも低い場合は土地の価格は低くなり、また道路から高すぎてしまう場合も価格は下がります。

住宅から出る下水への排水を行うにあたって、道路よりも50cm~1m程度高い敷地が標準的な高低差となっています。

建物の価格が上下する要因とは?

女性が建物の模型を虫眼鏡で調査している様子

続いては、建物価格に関してどんな要因が価格に影響を与えているかについてみていきましょう。

施工のクオリティ

建物のタイルやコンクリート部分にひび割れが多い場合、建物の価格が下がる要因となります。

実際の査定では細かい調査をすることはないですが、誰がみても施工の質が悪いというのが見てとれる場合は価格が下がってしまいます。

建物内の設備

建物内の設備は建物価格に影響し、設備が充実している戸建てというのは築年数の経過の影響を受けにくいため、建物の価格が下がりにくくなります。

また、エアコンや給湯器などの設備が最新のものではなく、むしろ古い設備の戸建ての場合は維持費が高くついてしまうため、価格が下がってしまいます。

そのため、築年数がそこそこ経過している戸建てであっても、一度大規模なリフォームによって設備が最新のものになっている場合は建物価格に高い評価がつくでしょう。

建物がきれいに管理できているかどうか

建物の管理状態がよく、綺麗に建物が維持されていれば、建物の価格は下がりにくくなります。

壁紙に穴が開いていない、床に傷がついていない、設備が故障していないなど、建物が綺麗に使われていて管理が行き届いていればいるほど良い評価となります。

最後に

住宅街

家の売却相場について、土地・建物それぞれに分けて解説してきました。

まずは今回ご紹介したサイトにアクセスして、売りたい家に近い条件のものがいくらで売りに出されているか、いくらで成約されているかを調べてみましょう。

売りたい家に近い条件とは、主に所在地・築年数・広さです。

手っ取り早く価格の相場が知りたいという方は、不動産会社に査定を依頼しましょう。

依頼したからといって必ずしもその不動産会社に家の売却を任せる必要があるわけではないので、安心して気軽に査定を受けてください。

家の査定は不動産会社によって査定額が異なり、実際に売れる金額(成約額)も依頼する会社や時期によっても変動します。

そのため、1社だけの査定で売却を進めてしまうには大きなリスクがあるので、いくらが適正価格なのかを知るためにも、査定は必ず複数の不動産会社に依頼するようにしてください。